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【WEB版 週刊『家紋』】 第13号
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「梅鉢紋」

【誰の家紋?】
前田利家
【由来】
今は花といえば桜を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、古代の日本人に
とって花といえば「梅」だった時期があります。
万葉集ではハギについで梅が多く歌われ、百余種収録されており、桓武天皇が
平安遷都をした際に、紫宸殿の前に植えたのも最初は梅だったようです。
古代日本人に愛された梅ですが、最も梅を愛した日本人として有名なのが「菅
原道真」公だと思います。
彼は藤原氏の陰謀によって晩年を太宰府で過ごさなければならなかった不遇の
人で、そのことで多くの人の同情を集め、その後の天災を道真公のたたりと恐
れ、天満宮に神として祭ったという逸話があります。
学問の神としても有名な道真公を祭る「天満宮」の神紋はもちろん、「梅鉢紋」
です。
どのくらい道真公が梅を愛したかといえば、
東風吹かば にほひおこせよ 梅の花
あるじなしとて 春なわすれそ
という有名な歌を残しているくらいです。
なので、そんな道真公を祭った天満宮が梅鉢を紋に使うのは当然といえば当然
ですね。
また、道真公の子孫も梅鉢紋を使用しています。
しかし、道真公は武士ではなかったので、鎌倉時代の戦記物などの絵巻には梅
鉢紋は見当たらず、室町期ごろからは武士にも天満宮信仰が広まり、使用する
家も増えてくるようです。
ところで、梅紋は、梅花紋と梅鉢紋の2種類あり、梅花紋のほうが梅の花をリ
アルに描き、紋としては古いようです。
「梅紋」

一方の菅原道真公の子孫を称する前田家も使用している梅鉢紋は、花びらを丸
にデフォルメしており、そうすると丸が5つになり、星紋と区別がつかなくな
り、中央に鉢と呼ばれる太鼓の鉢のようなものを描いたと言われています。
「六曜紋」

「星梅紋」

紋としては梅花紋の方が古いのですが、現在は梅鉢紋のほうが主流になってい
ます。
この鉢ですが、梅鉢紋が興隆を極め、特に加賀の前田家が大身になると、その
分家が多く生まれ、この鉢の長さによって違いを出したようです。
また、鉢の間に武家らしく「剣」をつける紋もあり、特に「剣梅鉢紋」と呼ば
れ、この剣の長短によっても家の違いを出したようで、適当に書くと失礼に当
たるようです。
「剣梅鉢紋」

鉢や剣の長さにこだわりを持つ。
昔は本当に家を大事にし、誇りに思っていたのだなぁと思います。
他人の家の家紋も、自分の家の家紋さえも分からない現代を思うとやっぱり家
族というか、家の崩壊を心配する思いです。
<参考文献>
*家紋大図鑑 秋田書店 監修:樋口清之 著者:丹羽基二
*家紋逸話辞典 立風書店 丹羽基二