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 【WEB版 週刊『家紋』】 第8号 
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 「一文字三つ星紋」

 

 【誰の家紋?】

 毛利元就

 【由来】

 三つ星はオリオン座中央の三つ星を意味します。
 中国ではこの三ツ星を三武といい、将軍星とも呼ばれ、天子の周りに控え、軍
 鼓と斧鉞(オノやマサカリ)を司り、中央の星を大将軍、両脇を左右将軍とい
 います。

 戦いに勝つ将軍を意味する三つ星は武家に好まれた紋で毛利氏以外では渡辺氏
 も使用しています。

 「渡辺星」
 

 渡辺氏と毛利氏の紋の違いは、一文字を上に置くか、下に置くかです。
 毛利氏は一文字を上に描き、渡辺氏は下に描きます。

 この一文字は文字通り「一番に」という意味と、「勝つ」という意味があります。
 つまり、「一」と書いて「カツ」と読んだようです。

 土佐藩初代の山内一豊は、「カツトヨ」と呼んだそうです。

 つまり、この一文字三つ星の意味は、「一番に戦いに勝つ」ということになりま
 す。

 毛利元就もオリオン座を見ながら、武運を祈り、戦国の世を戦ったのかもしれ
 ませんね。

 【読者の家紋】

 ここでは読者の皆さんの家の家紋をご紹介していきます。

 「蔓三つ柏紋」(池川さんちの家紋)
 

 古代柏の葉は、食べ物をよそう食器代わりに使用されていました。
 形も大きさも手ごろで葉も厚かったからでしょう。
 その後食膳をつかさどる専門職のことを「膳夫(かしわで)」と呼び、特に神前
 に食事を捧げる際には、拍手を打つようになりました。

 現在、神社におまいりをする際に打つ拍手はここから来ています。

 神に食事を捧げる膳夫が打つ手だから「拍手」で、その膳夫が扱う葉が柏だっ
 たのです。

 なので、この柏紋は神社に仕えた神主の家に多くあり、伊勢皇大神宮の久志本
 氏、尾張の熱田大宮司の千秋氏、備前吉備津宮の大守氏、筑前宗像大宮司の宗
 像氏などが有名です。

 公家では神道をもって朝廷に仕えた卜部氏、その後裔の吉田、藤井、萩原、錦
 織の四家も柏紋です。

 武家では、徳川時代に山内、蜂須賀、中川、牧野の四氏があり、幕臣では40
 余家が使用しています。

 「丸に三つ柏紋」
 

 最も有名なのが土佐の山内氏の柏紋です。
 天正9年の京都大馬揃の際に、下士でありながら信長も褒め称えるほどの馬に
 またがっていた山内一豊。
 その馬の代金を妻のへそくりで購入した内助の功としても有名な話ですが、こ
 の後山内一豊は出世のきっかけをつかみ、関が原の合戦後、土佐一国の領主に
 なります。

 その山内氏の家紋は、通常のふっくらした柏の葉とは違い、細くなった柏の葉
 が放射状に放出したようになっています。

   「山内柏紋」
 

 この柏紋は、後世「土佐柏」とか「山内柏」と呼ばれ、後日、土佐藩から出た
 岩崎弥太郎(三菱財閥の創始者)はこの主君の家紋から現在の「スリーダイヤ」
 のマークを創出したと言われています。

 「三菱商事(左上のマークです)
 

 ちなみに、柏紋は、三つ柏と抱き柏が最も多く、ほとんど8割を占めるそうで
 す。

 「抱き柏紋」
 

 ちなみに、三つ柏紋については七福神の一人が神紋として使用しています。

 さて、誰でしょう?

 答えは、恵比須様です。
 恵比須様は古事記でイザナキとイザナミの神が2番目に生んだ子で、骨のない
 ヒルコ(蛭子)と呼ばれたこの子は足がなえていたので、歩くことができず、
 そのまま川に流されてしまいました。

 それをあわれんだ人々が恵比須神として祭ったのです。
 だから、恵比須様は足が曲がって描かれていたり、座っている絵が多いと思い
 ます。

 そんな恵比須様ですが、摂津武庫群西宮の恵比須神社が三つ柏紋を使用してい
 ます。

 「西宮神社のえべっさん(一番下に出ています)
 

 以前は、神に供える器として利用された神聖な葉でもある柏の葉。
 現在では、5月の子供の日に食べる柏餅くらいしか使われなくなりましたが、
 現在でも宮中の大嘗会の式典等では古式ゆたかに柏の葉を食器代わりに使用し
 ているそうです。

 ということで、池上さんの家紋はとっても神聖な家紋ということになりますね。

 ふぅ、本文より力が入りました。

 *このコーナーでは読者の皆さんの家紋をご紹介していきます。
  自分の家の紋に興味のある方は、メールをいただければと思います。

 <参考文献>
 *家紋大図鑑 秋田書店 監修:樋口清之 著者:丹羽基二
 *家紋逸話辞典 立風書店 丹羽基二 

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